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水の妖精

昔の人は、天球に固定された星と、それらとは明らかに動きの違う七つの星を区別して来ました。肉眼で確認できる五つの惑星の、水星、金星、火星、木星、土星、それに太陽と月を加えた七つの星です。これらの星は、神々の住む天球の果てと地球の間の空間にある、独自の動きをする星と考えられていました。天球の赤道を中心とした帯のような区域は獣帯と名づけられ、春分点を起点に12に分割して作られたものが12宮です。12宮は春分点から時計回りに決められていて、宮の名前と星座が完全に一致するわけではありませんが、牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、さそり座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座の12星座です。地球は自転していますが、公転もしています。太陽の周りを一年かけて一周しますが、それを地球から見ると、太陽が昇ってくる位置が獣帯上を一年かけて一周することになります。星占いは、太陽の昇ってくる獣帯上の位置を使ってそれぞれの人に星座を割り当てます。北極星は、地球の歳差運動により、少しずつ移動しています。歳差運動とは、コマのように自転している物体の回転軸にもう一つの垂直方向の力が加わって、よろけたような運動をします。このため、北極星が変わり、竜座の周りを廻っていて、一周するのに2万5920年かかります。現代人の北極星は小熊座のアルファ星、ポラリスですが、古代エジプト人たちの北極星は竜座のアルファ星、トゥバンでした。また、時代によっては北極星が存在しないこともあり、北極星がある時代の方がむしろ稀とも言えます。北極星が移動するということは、春分点も移動することを意味し、春分点も地球の歳差運動に従って少しずつ獣帯上を西に移動しています。ここから、時代の星座という考えが生まれました。誕生日の日に太陽が昇る位置の星座をその人の星座にしたように、春分点の日に太陽が昇る位置にある星座をその時代の星座にしました。春分点が獣帯上を一周するのに必要な年月は、天球の北極と同じで、2万5920年です。従って、ひとつの星座の時代は2160年になります。現在は魚座から水瓶座への移行期にあります。占星学の時代で魚座に入った頃、キリスト教の救世主が誕生していますので、キリスト教の救世主は魚座の時代の神でもあります。その為、キリスト教と魚との関係がいたるところにあります。また、古代メソポタミアの時代から、大洪水のあとに人間を導いたのは、魚の格好をしていたと言い伝えられています。その名残で、今でもローマ法王がかぶるミトラと言われる司教冠は魚の口をかたどったものになっています。この伝説の魚は鯉(コイ)であったと言われています。アブラハムはウルという町で生まれますが、現在のその場所はサンリウルファと言われ、古代にはエデッセともいい、この町の中央の大きな聖なる池にはたくさんの聖なる鯉が泳いでいます。もともと、魚とは女性を象徴し、これは古代メソポタミアでも、古代エジプトでも、古代中国でも同じです。古代エジプトのオシリス神話でも、女神イシスがオシリスの子ホルスを受胎するとき、魚が登場します。中国でも皇帝の象徴として龍の鱗が出てきますが、これは鯉の鱗と言われます。鯉は母で、龍はそこから生まれた皇帝という意味で、鯉は登龍門を昇りきると龍になると言われています。また、星座の魚座は2尾の魚が結び合った姿で表され、これは母と子を象徴すると言われます。熱の伝達は遅く、速い変化を要求される環境では正確な制御は難しいのですが、その反面、一定の環境を維持する世界では有難い存在で、むしろ電磁界を一定に保った環境を作ることの方が難しい作業と言えます。高等動物にとって体温を一定に保つことはとても重要で、人間は体温を36度5分といった正確なもの維持していて、この温度がちょっと高くなると調子が悪くなります。細胞は温度にはそれほど影響がないのに、なぜか恒温動物は温度を厳密に管理します。その理由の一つに脳機能があります。爬虫類などの変温動物は体温が低下すると動けなくなります。恒温動物の哺乳類と鳥類は外気温と関係なく活動できます。それが爬虫類と恒温動物の決定的な違いで、哺乳類などが進化して恒温動物になった理由でもあります。厳密な温度管理は脳神経の進化に必要だったため生まれました。ここで重要なのが水です。水は熱の伝達に優れていて、さらに保温力が高く、流体なのでどのような形態にもなじみます。これは生命が水から誕生して、進化し、恒温という更に進んだ環境を確保したと言えます。そこから人間の高度な脳機能が誕生します。そして脳の活動は、極端に正確な熱の管理を必要とします。かつて古代の神は人々を支配する存在ではなく、ただ単に母なる自然の代弁者で、そのころは古き良き時代であったと言われます。孔子は世の秩序が乱れるのを防ぐために儒教を説きました。また、老子は周の人ですが、殷の末裔と言われ、古代日本を築いたのも殷の末裔と言われ、平安王朝は老子の道教の影響を受けていたと言われます。封建国家という閉ざされた、一部の支配者が不正を行いやりたい放題で、派閥や自分たちの家系中心の社会を作り、それに該当しない人には言いがかりを付けて搾取するような社会では世の秩序が乱れます。そこで、儒教の仁と礼が必要になってきます。それに対して、老荘思想は開かれた社会の発想です。開かれた社会での自己形成による秩序に任せる考え方です。自己形成を尊重する道教的発想は民主主義にとって重要とも言えます。多様化を維持し、開かれた世界を守ることで、より良い自己形成を促すことができます。自然は特定環境を驚くほど正確に保つことと、機能のために特異的な形態を形成することで、すべてを成し遂げる極端に効率の良い特殊装置を作り上げます。それは、自由に空を飛ぶ鳥であったり、いろいろなものを創造する人間の脳であったりします。人間は目的とデザインでどのように作るかを考えますが、自然は自己形成の結果、機能的な形態として必然的に自然発生します。人間の脳にしわがたくさんあるのは、表面積を増やすためではなく、熱を逃がすためです。脳から一定の熱放射が起こり、脳のしわはニューロン活動で放出される大量の熱を逃がすためには、とても都合のよい形といえます。脳は水を管理することでニューロン活動を保護し、熱の流れを機能のために利用して、そこから意識が生まれます。よく、神はサイコロは振らないが、コインを投げると言われますが、脳もまさに同じで、水による熱の放出があるかないかの2進法で情報が処理されます。意識がある状態で情報が処理されない状態を体験することは難しく、外界からの刺激を全て遮断して、さらに自己から発する脳活動も停止させることは、達磨大師や聖徳太子のような境地に達した僅かな人にしか体験できないと言います。さまざまな位置にある水分子は、その置かれた位置によって違った周波数の、大きさの違う信号を出します。それは、音楽を聴いて感動する、人の心にも影響を与えます。人間の体の60〜70パーセントは水です。きれいな水を毎日飲むことは、変な薬を飲むより、ある意味よっぽど健康にいいと言えます。日本は軟水の美味しい水が豊富な、恵まれた国と言えます。このきれいな水を生み出す、美しい自然環境を大切にして、未来の子供たちに残していかなければなりません。ヨーロッパは京都議定書に基づいて大幅な二酸化炭素の削減をしていますが、日本はまだ大きな成果は出ていません。そろそろ日本人も本気で自然の大切さを考えるべきなのではないでしょうか。